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更新日:2010.04.01  

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若月 光夫

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WAKATSUKI, Mitsuo

情報メディア工学講座 助教

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1.はじめに

 昭和59年(西暦1984年) 4月、本学の通信工学科(当時)に学部の学生として入学してから、早いもので二十余年の歳月が過ぎてしまいました。学部卒業後、大学院博士課程に進学して学位を取得し、幸運にも本学の教官として着任することができ、現在に至っています。

 私は大学の学部 4年で研究室に配属となった当初から、情報科学の基礎的な分野である、オートマトン・形式言語理論に関する研究に携わっています。現在はこれに関連した人工知能の基礎的な分野である、計算論的学習理論に関する研究を行ったり、グラフ理論における組合せ最適化問題に関する研究を行ったりしています。計算論的学習理論の分野の中でも特に、形式言語を帰納的に推論するための学習アルゴリズムの開発に注力しています。将来的には、これらの理論的研究をバイオインフォマティクス(生命情報科学)などの研究領域に適用し、応用・発展させて行きたいと考えています。

2.研究内容

 人間が生後、日本語や英語などの自然言語を習得する過程では、幼少の頃から近親者の会話を聞き続けたり、近親者などの相手と会話したりすることで、正しい文章を構成するための決まり(文法)を後天的に徐々に獲得していくものと考えられます。また、Pascalや Cなどのプログラミング言語の構文は形式文法と呼ばれる文法で規定されますが、これらの言語で書かれたプログラムを複数例与えることでその文法を機械的に獲得できれば、プログラミング言語のコンパイラを自動設計するといった応用も考えることができます。このような言語の学習過程を数理的、特に計算論的に解析する手法を提供するのが計算論的学習理論であります。以下、形式言語の帰納推論に限定して説明を行います。

 計算論的学習理論において仮定される学習モデルには、「極限学習」や「質問による学習」などがあります。極限学習は、現実に人間が行っている学習と同じように、学習過程は永遠に続くとの前提の下で、学習者に対して正しい文を例として与え続ける(正しい文を正の例と言います。間違った文(負の例)も与える場合もあります)ことによって、十分長い時間が経過すれば学習が正しく行われるというモデルです。質問による学習は、学習者が教師(オラクルと呼ばれる場合もあります)に対して、例として与えられた文が正しいか否かや、自分が立てた仮説(文法)が正しいか否かなどを質問して、その応答によって仮説を適応的に修正することで学習を行うモデルです。このような学習モデルの下で、対象とする言語を学習するためのアルゴリズムを開発してその計算量の解析を行ったり、その前提の下では学習が行えないことを理論的に証明したりします。

3.学生の皆さんへ

 電気通信学部の学生は理科の科目として、物理学と化学だけを勉強すればいいというわけではありません。情報科学の分野に限っても、ニューラルネットワークやバイオコンピュータなど、生物学的な知識を必要とする研究領域があります。今後ますます、より幅広い分野の知識を必要とするようになってゆくと考えられますので、在学中に貪欲に知識を吸収するようにしましょう。