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更新日:2008.04.01  

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三木 哲也

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MIKI, Tetsuya

情報通信システム学講座 教授(2008年3月 退任)

1.ますます重要になる情報通信

 私達は人とコミュニケーションをとること、生活に必要な情報をキャッチすること、勉強や仕事のために必要な情報をいつでも使えるように蓄積してゆくこと、撮った写真やビデオを交換すること、などコミュニケーションや情報に関する社会的環境は、すべて情報通信が重要な役割を担っています。また、便利のみならず、安心・安全な社会を作ってゆくために、情報通信の果たす役割はますます重要になって行きます。

 電話は100年以上前に出現しました。ラジオは80年ほど前に、またテレビジョンは60年ほど前に出現しました。パソコンが普及し始めたのが20年ほど前、携帯電話やインターネットが一般に普及し始めたのは10年ほど前からです。パソコンが使われるようになってからの世の中は、それ以前とは大きく違ってきました。それ以前のアナログからディジタルの時代に入ったからです。ディジタルでは、正確な通信や、複雑な処理ができるというだけではなく、情報を瞬時に大量に蓄積できることから、最初に述べたように人間の生活と切っても切れない関係になりつつあります。

 ディジタル化した情報通信技術(英語でICT:Information and CommunicationTechnologyと言います)は、社会のいろいろな仕組みを変えつつあり、この変化は工業化社会から情報化社会への大変革であり、原動力となっている情報通信に関する技術やビジネスはこれからますます重要性を増してゆくことは確実です。

2.今までやってきたことと現在の研究内容

 私が電通大を卒業したのは1965年。ちょうどディジタル技術の揺籃期であり、迷わず私はディジタル通信の分野に進みました。大学院では、音声信号の符号化とともに、当時は未だ技術の無かったテレビジョン信号の符号化にチャレンジしました。

 大学院を出て、NTTの研究所に入ってからは、同軸ケーブルによる高速ディジタル伝送、具体的には400Mbps伝送技術を実用化しました(当時は、世界中どこも実現出来ていなかった速度でした)。その頃丁度、光ファイバが世の中に出現したものですから、私は運良く、最初から光通信技術の研究に携わることができ、日本で最初に電話ネットワークに使われた32Mbpsと100Mbpsの光ファイバ伝送システムの開発、さらに現在の光通信の主流となっているWDM (Wavelength Division Multiplexing)技術や、ATM(Asynchronous Transfer Mode)技術などを発案し研究しました。電通大に来る10年前までは、光アクセス技術の研究を推進し、最近急速に普及し始めたFTTH(Fiber to the Home)の基礎技術を確立してきました。

 電通大に来てからは、フォトニックネットワークという将来の超高速・大容量通信技術を中心に、光通信とワイヤレス通信を用いたネットワーク技術全般の研究を行っています。このようなネットワーク基盤層の研究に加えて、情報流通や情報コンテンツに関係するネットワーク上位層における研究の2面から、情報社会の発展に貢献したいと考えています。 いま、具体的には

○ネットワーク基盤層の研究として、
・超高速で柔軟なパケット通信を可能とするフォトニックネットワーク
・光通信とワイアレス通信を融合したROF (Radio On Fiber) 伝送
・ワイヤレスLANの高度化やアドホックネットワーク
・ネットワークの通信品質制御やトラヒック制御
○ネットワーク上位層の研究として、
・地域あるいは利用目的に特化するコミュニティネットワーク
・マルチメディアの特徴を活かした遠隔教育システム

といったテーマに取り組んでいます。

3.学生の皆さんへ

 これからの情報通信は、単に産業を効率化し、生活を便利にする道具、といったことに留まらなくなるでしょう。情報通信ネットワークは、生活環境、教育環境、仕事の環境、そのものになると思われます。また、従来の組織を中心としたピラミッド型社会から、それぞれが対等な関係となるネットワーク型社会になるだろうと言われています。そうなると、それぞれの個人が判断し、活動する上で、情報通信への依存度は益々高まる訳で、情報通信の与える光と陰を前もって十分に研究することが非常に重要なテーマになてゆくと考えています。

 これには、理系・文系の総合的な知識や感性が求められます。また国境のないネットワークに関わる以上、国際的な視野が不可欠であり、自由に意思疎通ができる語学力も身につける必要があります。さらに、社会への影響の大きい仕事をする技術者の役割として、社会貢献への深い誠意と、技術者としての使命感に根ざした倫理観を養った上で、将来の社会で重要になる本質的なテーマに取り組んで貰いたいと思います。情報通信のシステムやネットワークの分野は、そのような重要な仕事が沢山ある分野です。
 

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写真1:光通信の実験
 
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写真2:遠隔教育の画面
 
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写真3:研究室の合宿ゼミ